2012年6月19日火曜日

F-107(アメリカ空軍試作戦闘機)

情報元:Wikipedia(F-107)

F-107は、アメリカ合衆国のノースアメリカンが開発していたジェット戦闘爆撃機。F-100戦闘機の発展型である。F-105との競争試作に敗れたため採用はされず、試作機はテスト機として生涯を終えた。

F-100戦闘機により強力なエンジンを搭載した改良型の戦闘爆撃機として開発が開始されたものである。開発当初はF-100Bという名称であったが、間もなくF-107Aの名称が与えられた。アメリカ空軍からは1953年10月20日に3機の試作機の発注があり、1954年8月には追加で6機発注されている。
F-100の機体を改良するにあたって、機首にレーダーを搭載する必要があり、エンジンのインテイクをノーズから移す必要があった。ノースアメリカン社では、F-107Aの開発方針として、F-100のインテイクを機体下部に移したモデルNA-211と機体上部に移したモデルNA-212の二つを検討し、NA-212の案を採用した。インテイクの位置の他、F-107Aではエリアルールの採用、垂直尾翼の大型化・全浮動化などの改良が行われているが、主翼と水平尾翼はF-100と同等である。
インテイクが背中に設けられたのは、核爆弾を胴体に半埋め込み式に搭載するにあたり、インテイクの発する衝撃波が投下に影響を与えないようにするためであった。これにより、パイロットの脱出や後方視界に悪影響を及ぼす結果となった。しかし、本機が戦闘爆撃機であることと、当時幅を利かせていたミサイル万能論により、この欠点はあまり問題視されなかった。