2012年9月9日日曜日

ダッソー ミラージュIII(フランス空軍戦闘機)

※フランス空軍の動画は見つかりませんでした。上の動画はスイス空軍のものです。

情報元:Wikipedia(ダッソー ミラージュIII)

ミラージュIII(Mirage III)は、フランスのダッソー社製の戦闘機である。デルタ翼が特徴的な単発機であり、各国へと輸出されている。Mirageはフランス語で幻影あるいは蜃気楼のこと。

1952年より開発が開始され、ミステールを発展させたデルタ翼機ミステール・デルタを提案したが、翌年にフランス空軍から朝鮮戦争の教訓を踏まえた新たな性能要求が出され、軽要撃戦闘機としての性格を固めた。この要求にはダッソー以外にも、ブレゲー、ノール、モラン、シュド・エスト、シュド・ウェストの各航空機メーカーも応えて試作機を提案している。この内、最終選考まで残ったのはだんシュド・ウエスト SO.9000 トリダン、シュド・エストSE212デュランダール、そしてダッソーミステール・デルタの3機種であったが、いずれの機体も小さ過ぎてレーダー類などを搭載する性能的余裕がないことが判明した。
このためフランス空軍は1956年にマッハ2クラスの新世代戦闘機の開発要求を発表し、ミステール・デルタの拡大型を製作、1956年11月17日初飛行を遂げた。高速試験中、エアインテイクの形状により試作機の速度が頭打ちになり、ロケット・ブースターを装着してもマッハ2に達しなかったため改良を施し、マルチロール性能を追加した結果、わずかに大型化したミラージュIII Aとして、1957年に採用、1958年5月12日に初飛行した。同年10月24日の飛行試験でマッハ2に達し、ヨーロッパ諸国が開発した機体としては、初めてマッハ2を超えた機体となった。なお試作機同様、量産機も機体下部に補助動力としてロケット・ブースターを装備できるが、実際に使用された例はほとんどない。
本格的に生産が開始されたのはC型からで、要撃性能に集中して改良を加えた結果、シラノ火器管制レーダーを搭載し、固定武装としてDEFA 552 30mmリヴォルヴァーカノン2基を装備、後に翼下パイロンを2基に倍増して胴体と合わせて5基となった。フランス空軍は95機を発注し、1961年5月から部隊配備が開始された。C型をベースにした複座練習機型のB型は、C型と比べて胴体が60cm延長され、火器管制レーダーと機関砲が外されているが、必要に応じて装備できるようにスペースは空けられている。
輸出が開始されたのもC型からである。次いで戦闘攻撃機型のE型が完成したことで生産の主力はE型へ移行し、さらなる支持を得た。E型は機内搭載燃料が増加し、レーダーもシラノIIに換装され、機首下部には新たにドップラー航法レーダー(採用国によっては装備しないこともあった)が装備されている。これにより胴体が30cm延長された。フランス空軍はE型を183機配備し、戦術核兵器の運用能力も付加した。E型に対応する複座練習機型のD型は、ガンカメラの搭載により機首先端がB型より細くなっている。
E型をベースに偵察機としたのがR型で、機首の火器管制レーダーを撤去して偵察用カメラを5台搭載し、固定武装は残された。R型にドップラー航法レーダーを搭載した全天候型もあり、RD型と呼ばれる。
完成度の高い機体となったミラージュIIIは広く輸出され、多くの派生型を産んだ。その中には、電子機器を簡易型に換装し500機以上を輸出したミラージュ5、エンジンを強化型に換装したミラージュ50、ミラージュF1につながるSTOL試験機ミラージュIII F2等の他、他国で生産・改修された、ネシェル・クフィル・チーター・パンテーラ等の派生機・コピー機も存在する。生産は長期に渡って続けられ、最後の機体が完成したのは試作機の初飛行から実に36年経った1992年のことだった。
現在では既にフランスを含む多くの運用国で退役しているが、アルゼンチンやパキスタンでは現在でも第一線機として運用されている。特にパキスタンは各地で退役した機体を大量に入手しており、ミラージュ5を含めて150機以上を保有している。
なお、ミラージュIはミステールのデルタ翼改造型ミステール・デルタの再改造型を、ミラージュIIはミラージュIIIと平行して検討された双発型を指す開発中の呼称であるため、ミラージュIIIがシリーズ初の実用機となる。

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