2012年12月28日金曜日

テジャス(インド空軍 戦闘機)

情報元:Wikipedia(テジャス)

テジャス(Tejas)は、アメリカ等の技術協力を受け開発されているインドの国産戦闘機である。LCA(Light Combat Aircraft、軽戦闘機)の名称も知られている。1980年代から開発を開始しており、2011年に実用化した。MiG-21の代替を予定しているが、かつて1998年の核実験に対する米国の経済制裁を受けたことや技術不足などの要因が重なり開発が難航している。
なお、「テジャス」とはサンスクリットで「火」を意味し、「光り輝く」との意味も備える。

インドは1960年代にマルートを開発して以降国産ジェット戦闘機の開発をしてこなかったが、1985年に当時のインド首相ラジーヴ・ガンディーによりアメリカと協力して新型の戦闘機を開発することが発表された。開発計画はLCA(Light Combat Aircraft)と命名された。搭載エンジンは初期型に米国GE(現在は傘下のGE・アビエーション)製F404ターボファンエンジン、後期型に国防研究開発機構(Defence Research and Development Organisation、DRDO)傘下のガスタービン研究機関(Gas Turbine Research Establishment、GTRE)が開発する国産のGTX-35VS型「カヴェリ(Kaveri)」エンジンの搭載を予定している。インド海軍向けの艦上機型の開発も行われており、こちらは2008年の初飛行を目指している。
開発参加企業・組織には、インドのHAL(Hindustan Aeronautics Limited、ヒンドゥスタン・エアロノーティクス)、インド航空開発庁(Aeronautical Development Agency、ADA)、国防研究開発機構を始めとし、さらに米国のロッキード・マーティン、ゼネラル・エレクトリック、フランスのスネクマなどが加わっている。
元々1993年の初飛行を目指して開発されていたが、当初56億ルピーと予定していた開発費が250億ルピーに増大した上に、計画がかなり遅延した事からMiG-21bisの近代化に213億5000万ルピーを使わざるを得なくなってしまった。
さらに1998年の核実験の制裁としてアメリカがLCAの開発から撤退し、アメリカから導入予定だった機体制御システムや各種主要コンポーネントの輸入が停止され、LCAに搭載するためのカヴェリエンジンの技術支援にきていたGEの社員も帰国した事でさらに計画に遅延が出ることになった。
前述の国防研究開発機構の一部の関係筋によれば、「核実験さえなければ、初飛行は1998年12月に成功していただろう」とも言われていたが、結局初飛行に成功したのは2001年であった。
2001年以降の対テロ戦争でインドの経済制裁が解除された事により、アメリカのGE社はF404エンジンを試作機用に8基(F404-GE-F2J3)、量産機用に41基(F404-GE-IN20)供与している。当初量産分の2個飛行部隊分の機体にはF404を搭載し、それ以降の機体には完成し次第国産のカヴェリエンジンを搭載する予定である。2007年度中に28機のLCAを生産することが決定しており、エンジンの調達数からも40機前後の生産は確定的だと思われる。
インド空軍はMiG-21の後継として最終的に200機前後のLCAを調達する予定であり、2009年から2010年にかけて南部のタミル・ナードゥ州にLCAの飛行部隊を配備し始めるとの見方が出ている。
しかしカヴェリエンジンの開発は未だ難航しており、インド空軍はLCAが予定通りのスケジュールで完成するかどうかについて尚疑いを持っている。この事から今後大幅に調達数を減らすことも考えられる。
また、カヴェリエンジン調達までの繋ぎにユーロジェット・ターボ製EJ200及びGE製F414の調達を検討、GEがユーロジェットより安い価格を提示したため99基のF414の調達が決定した。