9はノースロップがアメリカ空軍向けに開発した戦闘機。愛称はスコーピオン(Scorpion)。全天候戦闘機・要撃機として運用された。初飛行は1948年8月16日。
P-61の後継のジェット夜間戦闘機として、1945年12月より開発が開始され、1950年から実戦配備が行われた。機体はレーダー手を乗せるためにタンデム複座となっており、機首にレーダーを搭載している。エンジンは胴体下部に並列に装備しており、ノズルは胴体後部、主翼直後にある。尾翼は細いテールの先に設置されており、主翼は中翼配置の直線翼である。主翼端には増槽を装備できるが、後期型では増槽と武器庫が兼用となった大型ポッドとなった。この大型の増槽のおかげで航続距離は長く、広大な北極海をパトロールする必要があるアラスカの部隊において好評であった。そのため超音速戦闘機が実用化・配備されていき、同時期の単座亜音速全天候戦闘機であるF-86D/Lが退役する一方で、本機は非常に長く使われ、最後の空軍州兵の機体が退役したのは1968年である(航空自衛隊において「アメリカ空軍で余剰になった旧式機」として供与されたF-86Dが退役するのと、同年である)。