零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)は第二次世界大戦期における大日本帝国海軍(以下、海軍と表記する)の主力艦上戦闘機。零戦(ぜろせん、れいせん。“ゼロ戦”とも)の略称で知られている(以下、零戦と表記する)。海軍の艦上戦闘機(以下、艦戦と表記する)としては実質的に最終型式で、日中戦争の半ばから太平洋戦争の終戦まで前線で運用された。
零戦は、大戦初期において、その長大な航続距離、重武装、優れた格闘性能により、連合国の戦闘機に対し圧倒的な勝利を収めた。このため、零戦は当時の連合国パイロットから「ゼロファイター」の名で恐れられた。しかし後継機の開発の遅れにより前線で運用され続けた結果、大戦中期以降には、大量投入された連合国側新鋭機に対する零戦の機体としての優位は失われ、日本側の熟練搭乗員の損失や物資の不足などの面からも零戦の戦闘力は劣勢に追い込まれた。大戦末期には、他の多くの日本機と同様、特別攻撃機としても使用された。 零戦の開発元は三菱重工業(以下「三菱」という)である。生産は、三菱のみならず中島飛行機でもライセンス生産され、総生産数の半数以上は中島製である。零戦は、アメリカ陸軍のP-51マスタング、ドイツ空軍のメッサーシュミット Bf109、イギリス空軍のスピットファイアなどとともに、第二次世界大戦期の代表的な戦闘機として知られている。
五二型は二二型の発展型で、折り畳み機構を廃して翼幅を三二型と同じ11mに短縮したものの、二一型や二二型のように円形に整形された翼端を持つ主翼と、エンジン排気による空気の整流・推力増強を狙い排気管を分割して機首部の外形に沿って配置する推力式単排気管が外見上の特徴である。なお五二型は三二型と同一エンジン装備で正規全備重量で200kg近く増加しているにも関わらず、最高速度は約20km/h、上昇力も向上しており、推力式単排気管の効果を垣間見ることができる。ただし極初期生産型には推力式単排気管が間に合わず、二二型同様の集合排気管を装備している。単排気管装備後に排気管からの高熱の排気がタイヤや機体外板を痛めることが判明したため、最下部の排気管を切り詰め、残りの排気管口付近に耐熱板を貼り付けるといった対策が施されている。なお、後期生産型では無線機が新型の三式空一号に換装された他、翼内燃料タンクに自動消火装置を装備して防御力を高めている。
五二型は三菱では1943年8月から生産が行われ、以下の甲・乙・丙型を含めて終戦までに約6,000機が生産され、零戦の最多量産型になった。レイテ沖海戦以降、特攻機としても使用された。
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