F-15は、アメリカ合衆国のマクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)の開発した制空戦闘機。愛称はイーグル(鷲)(Eagle)
アメリカ空軍などで運用されたF-4の後継として開発された、長射程空対空ミサイルの運用能力と高性能ドップラー・レーダーを持つ双発の大型制空戦闘機で第4世代ジェット戦闘機に分類される。後継機であるF-22が2005年に戦力化されるまでは「世界最強の戦闘機」としても名高い機体であり、現在も第一線で世界水準の性能を維持し続けている。F-15のパイロットは機体の愛称から「イーグルドライバー」と呼ばれている。
二枚の垂直尾翼を持つとはいえ、平凡な平面形の主翼に水平安定版を組み合わせた保守的な設計のまま、当時としては画期的な機動性を実現した機体である。採用国は2010年現在までに空戦における被撃墜記録は無いとしている。単座型と複座型の2種類があるが飛行性能・戦闘能力に大きな差はない。
当時は、一機当りのコストが約3,000万ドル(アメリカ空軍での単価)と高価な機体となったため、アメリカ空軍でもF-16との「Hi-Lo-Mix」運用を甘受することとなり、購入可能な国は経済力のある国に限られていた。それに加え輸出先も、その能力から政治的・軍事的に親密な国への売却に限られていた(F-22が開発され派生型F-15Eが輸出される頃には事情が変わる)。その結果、新造機からの運用はアメリカ空軍による877機の他イスラエル・日本・サウジアラビアの3ヵ国の合計356機(ライセンス生産を含む)、総計1,233機で終わった。とはいえ、F-4と共に冷戦下のアメリカ空軍とマクダネル・ダグラス社を代表する戦闘機といえる。
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