2012年7月8日日曜日

IAI クフィル(イスラエル航空宇宙軍戦闘機)

情報元:Wikipedia(IAI クフィル)

クフィル(Kfir)はイスラエル・エアクラフト・インダストリー(IAI)がミラージュIIIをベースに独自改良を行って開発した戦闘機。Kfirとはヘブライ語で子ライオンの意。日本語ではクフィールと表記されることもある。

第三次中東戦争後、フランスのシャルル・ド・ゴール政権の中東外交政策転換により、イスラエル空軍が50機発注したミラージュ5(ミラージュIIIの電子機器を簡素化し実戦環境で機体の可動率の効率化を狙った機体)の輸出が禁止されイスラエル空軍に引き渡されなかったことが、本機の開発の発端だった。
これを受け、IAIは既に機体のライセンス生産の契約を結んでいたミラージュ5に第三国から図面を盗み出し製造したSNECMA アター9Cエンジンを組み合わせることで、独自生産型ミラージュ5と言えるネシェル(Nesher、ヘブライ語で鷲の意)を完成させたものの、イスラエル空軍は高地・高温条件下や兵装搭載時におけるエンジンのパワー不足に不満を持っていた。
そこで、同時期にアメリカ合衆国からF-4Eを導入した事から、ミラージュIIIのエンジンをF-4Eに搭載されていたJ79に換装し、能力向上を図る目的で計画された機体サルボが開発され、ネシェルとサルボの開発成果を組み合わせた機体であるクフィルの製作へと繋がった。
フランス製のミラージュIIIにJ79を搭載したサルボは1970年10月に飛行した。この試作機に続いて1973年6月にラーム(Raam、ヘブライ語で雷鳴の意)と名づけられたプロトタイプが製作された。続いてバラク(Barak、ヘブライ語で電光の意)と名付けられた機体がIAIによって生産され、1973年10月6日に勃発した第四次中東戦争中に運用された。クフィルの名称でJ79に最適化された機体の量産開始は第四次中東戦争終了後の1975年4月のことだった。
輸出も行われたが、アメリカによるJ79の再輸出許可が大幅に遅れたため少数の国にしか輸出されなかった。その中でアメリカ海軍・海兵隊はF-16Nが導入されるまでの間、F-21の名称でリースし仮想敵機として運用した。イスラエルでは既に退役しているが、未だ多数が保管状態にあるとされる。

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