FHはアメリカ海軍の艦上ジェット戦闘機である。愛称はファントム(phantom:幽霊、亡霊の意)。1945年1月に初飛行した世界初の実用ジェット艦上戦闘機である。
ジェットエンジンの研究が進展するにつれ、アメリカ海軍はジェット戦闘機を装備・運用することを検討するようになった。そのため、第二次世界大戦中の1943年8月30日にマクドネル社へジェット艦上戦闘機の試作発注を行った。 マクドネル社は1939年に設立されたばかりの新興メーカーであり、いくつもの斬新、もしくは奇抜なアイデアを持ってはいたものの、決して技術力の高い企業ではなかった。
にもかかわらずマクドネル社に発注が行われたのは、戦争中のため他の有力航空メーカーの開発・生産力を削がずに済ませるため、リスクの大きいジェット戦闘機の開発を新参・中小のメーカーに配分したという意味合いが大きい。
発注時はXFD-1の名称であったが、Dの文字はダグラス社と重なるために、1947年6月6日にFH-1に名称変更されている