情報元:Wikipedia(XF8B)
XF8Bは、アメリカ合衆国のボーイング社がアメリカ海軍向けに開発していたレシプロ長距離艦上戦闘機。第二次世界大戦の終結により量産は行われなかった。
アメリカ海軍は、日本海軍の航空機が長距離性能を重視しておりアメリカ海軍の同種類の機体より航続距離が長かったことを憂慮し、それに対抗するために長距離の航続性能を持つ迎撃および護衛戦闘機の開発仕様を1943年に各航空メーカーに提示した。この仕様は、最大速度550km/h以上で、迎撃、護衛の他、急降下爆撃機や雷撃機として使用できることを求めるなど、かなり欲張ったものであった。久しく艦上戦闘機を開発していなかったボーイング社では、この過酷な要求をクリアするため28気筒3,000馬力の大出力エンジンを搭載し、3翅2重反転プロペラを採用した万能機の設計案(モデル400)を提出し、1943年4月にXF8B-1として試作機3機を受注した。
試作第1号機の初飛行は1944年11月27日に行われ、1945年3月に海軍へ引き渡された。第二次世界大戦中に完成したのはこの1機のみであり、終戦後に残りの試作機2機が完成した。速度性能や航続性能は優秀なものを示したが、大型の機体故に運動性能では軽快性に欠き戦闘機としては物足りないものだった。加えて戦争の終結やXBT2D等の新型単座攻撃機の開発に目処が付いたため、本機の必要性は急速に薄れていった。このため、試作機3機の生産だけで本機はキャンセルされてしまった。
なお、陸軍航空軍でも海軍からレンタルする形で本機のテストを行ったが制式採用はなされなかった。