F-86はアメリカ合衆国のノースアメリカン社が開発したジェット戦闘機。愛称はセイバー(Sabre)である。
生産国のアメリカ空軍をはじめ、多くの西側諸国で採用された亜音速ジェット戦闘機である。第1世代ジェット戦闘機に分類される。初飛行は1947年10月。
武装は当初機関砲のみであったが、後にミサイル(サイドワインダー)が開発されるとその有効性を実証し(ミサイル万能論)、派生型も含めて9,860機が製造された。アメリカ空軍が1950年代初頭より主力戦闘機として最も重きを置いて配備を急いだ傑作機であったが、朝鮮戦争後にその戦訓を取り入れたセンチュリーシリーズを始めとする新鋭機が短期間で開発されると、急速に陳腐化していった。だが、結果としてアメリカ国内で余剰となったF-86は日本を含めた同盟国や友好国に、大量に供与されることになる。
1980年にポルトガル空軍機の退役、1993年2月にボリビア空軍機の退役[1]により、全機が退役した。現在では個人所有機が民間機として使用されている。